日本電子専門学校

現役エンジニアとしてのアドバイスは、学生にとって刺激になっているようです。
ITだけではなく“教育業界”を一緒に盛り上げて欲しいと思っています。

大川 晃一 様
エンジニア教育部長 兼
モバイルアプリケーション開発科 科長

二宮 洋介 様
モバイルアプリケーション開発科 テクニカルチーフ

Q1専門学校の特長、社会における役割を教えてください。

大川様:専門学校の特長としては、第一に特定の職業に関連した技術を専門的に学ぶことができる点です。 産業界と密接に連携しているため、短期間で希望する業界・企業へ技術者として就業できます。その中で本校は文部科学大臣から「職業実践専門課程」の認定を受けるなど教育の質保証を意識した取り組みを通して市場価値の高い技術者を社会に送り出しています。具体的には、IT企業と連携し教育カリキュラムを整備したり、現役エンジニアと一緒に授業を計画・実施したりすることで、業界のニーズに応えた「職業教育」を実施しています。
さらに近年ITエンジニアの需要が高まり続けており、今なお人材不足の声が後を絶ちません。
社会では技術の進歩により新たな需要も生まれ続けているため、常に現場に目を向け、その職業に直結した学科ラインナップを整備することで一人でも多くの、質の高い技術者を輩出していくことが社会における役割であり、使命であると感じています。

Q2担当しているミッションやお仕事の面白さ・やりがいをお聞かせください。

二宮様:私は現在、「モバイルアプリケーション開発科」の教員として、プログラマーの教育を担当しています。1クラス40名ほどなのですが、学歴、社会人経験の有無、入学動機など、バックボーンは十人十色。「スマートフォンアプリに関する知識や技術を習得したい」という共通の想いはあるものの、学生さんの考え方はさまざまで、逆に私が気づかされることも多々あります。特に留学生の場合は、文化やコミュニケーション方法も異なるため、私自身の学びに繋がっていますね。そんな中で、学生さんが卒業するまでの2年間で成長していく姿を目の当たりにできることは素晴らしいことだと感じますし、「こんなアプリ作れるようになったよ!」「こんな機能追加を考えてみたよ!」と楽しそうに報告してくれると、こちらも嬉しい気持ちが溢れてきます。

大川様:本校全体の観点で言うなら、時代に即した学科をつくり、質の高い職業教育を維持することが最大のミッションです。直近の例ですと、どのようなエンジニアが社会に求められているのかをリサーチ・検討し、新たに「DXスペシャリスト科」を立ち上げました。また、教員の立場としては20年ほど経ちますが、教え子が卒業後に遊びにきてくれることも大きな励みになっています。就職先でうまくいっているという進捗報告や、キャリアの方向性に関する悩み、IT企業の社長や起業家になったサクセスストーリーを聞かせてくれる教え子もいます。卒業後も私の存在が生きていると思うと、素直にうれしいです。

Q3産学連携プログラムとして卒業制作の授業をSAKにて対応しておりますが、学んだ学生様の満足度はいかがでしょうか。
産学連携を始める前との違いも含めてお教えください。

二宮様:ご協力いただくようになって今年で3回目となりますが、外部の企業から講師が来て、さらにその講師が現役のエンジニアなわけですから、学生たちもより真剣に取り組むようになりました。やはり普段現場で活躍しているエンジニアの意見は響くようで、作品のチェックだけでなくコメントやアドバイスもしてくださるので大変好評です。特にレビューの際は1対1になりますから、学生にとって刺激の多い機会になっていると思います。

大川様:技術面以外に、社会人としてのコミュニケーションのコツを教えてくれるところも、学生にとって非常に役立つと感じています。我々教員とは違った視点や角度で学生と触れ合ってくださるので、この産学連携プログラムは大変意義のあるものだと実感しており、今後も継続していく見込みです。

Q4卒業後、貴校の学生はどのように活躍されていますか?
入社した企業からの評価を含めてお聞かせください。

大川様:職業実践的な実習・演習を大切にしている甲斐あってか、卒業生が入社した企業様からは、早い段階で良い評価をいただくことが多いです。中には継続的に採用のご相談をいただく企業様もあり、卒業生の評価=本校の評判という認識が年々強くなっています。だからこそ、せっかくの信頼を維持できるよう精進していきたいですね。

二宮様:実際に職場で活躍している卒業生の声も聞いていますよ。本校に遊びにきてくれる卒業生が非常に多いのですが、みんな活き活きしている印象です。実務に携わってみた刺激ややりがいも感じているようで、エンジニアとして成長し続ける道を志す卒業生ばかりと知って安心しています。また、卒業生が前向きな報告をしてくれると同時に、在籍している企業様とも繋がりが出てくるので、そういった意味でも手応えを感じています。

Q5業界のトレンドおよび未来展望はどのようなものとお考えでしょうか。そのために必要とされる人材を貴校でどのように育成されているかも併せてお聞かせください。

大川様:少子高齢化の波を受けて、IT業界ではますます人材不足が深刻化すると言われています。そのような中で懸念される問題が、「社会に供給できる人材まで減っていく」ということです。課題解決の一翼を担う専門学校の重要性がさらに増すことは間違いありませんし、良質な人材育成こそが我々の使命だと受け止めています。私が注目しているのは、ここ数年増加傾向にある留学生の存在です。しかしながら語学力の問題などで日本人学生と比べると就職に苦労することがあります。多様性を意識した指導計画を整備することが一つの突破口になると感じておりますし、企業との連携も強化して、より質の高い教育カリキュラムを提供していきたいと考えています。

Q6IT業界において、これから求められる人物像はどのような方とお考えでしょうか。

二宮様:常に新しい技術やサービスが生まれ、更新されていく業界ですから、「まずはやってみる」というチャレンジ精神が第一に求められるスキルだと思います。面接等の選考においても、これまでの経験だけでなく、今後の意気込みについても語れる人物が評価されるのではないでしょうか。

大川様:私はある高等学校で1年間、IT科目の授業を担当したことがありますが、その時に強く伝えたかったのは「ITは常に身近な存在である」ということ。「スマホ」と聞くと誰でも身近に感じますが、「IT」と聞くと他人事のように感じる人もたくさんいます。ですから、まずは身近に感じて好奇心を持ってもらえるように、生活に関わる会話を大切にしています。「自分ごと」として感じてもらえるようになれば、チャレンジ精神のきっかけにもなると思いますから。

Q7弊社エスアイイーに今後期待したいことをお教えください。

大川様:卒業制作の授業の講師として、エスアイイーのエンジニア様にレビューをお願いしているのですが、学生にとって良い刺激になっています。今後も引き続き第一線で活躍されている知見を駆使して学生たちにIT業界のおもしろさを伝えてほしいですし、ITだけではなく教育業界においても一緒に盛り上げてくれる存在になっていただけたらなと期待しています。

二宮様:実際の現場でスマホアプリを開発しているエンジニアの存在は、我々教員にとっても勉強になることばかりです。「現役」という立場を最大限に活かして、これからも新しい知恵や技術を本校に共有してもらいたいですね。