私は、正真正銘の未経験でこの業界に飛び込みました。当時の私は、略語や横文字に嫌悪感を抱き、参考書を見ても難しいとしか感じられませんでした。特にインフラ領域は、目に見えず得体が知れない。笑。ですから、できるだけ誰もが当てはまる日常生活に置き換えて説明するように意識しています。
エンジニア業務と講師業務を兼務して約8年になりますが、一つ言えるのは、兼務していなければこれまで私が培ってきた実績はなかったということです。実は、以前ある出版社から上位資格試験対策の書籍執筆の依頼がありまして、計4冊の著者として業界に名を残すことができました。エンジニアと講師、両方現役として活動していたからこその成果だと思います。
私は、よく図や絵を描いて説明します。ネットワークの構成がどうなっているのか、テキストでは文字しか書いていないことも、図や絵を描けばイメージしやすくなります。特にインフラはイメージが湧きにくい分野ですから、言葉の説明に頼りすぎないように気を付けています。おかげさまで、私の画力もアップしたかもしれません。笑。
教える立場ですので、資格試験に合格した生徒さんに感謝されたり、スクールに来てよかったと言われることが一番うれしいです。鮮明に覚えているのは、複数名のクラスを受け持ったときのこと。スクールのプログラムが一通り修了した瞬間、「みんなからのプレゼントです!」とネクタイをいただいたんです。めちゃめちゃ感動して、めちゃめちゃそのネクタイを使いすぎて、ボロボロになってしまいましたが。
改めて言いますが、私は正真正銘の未経験でこの業界に飛び込み、PCの電源を入れることすらもままならないレベルでした。すぐに理解できた!というタイプでもありません。最初は分からないのが当たり前。分からないことを恥ずかしがる人もいますが、興味があるのに知ろうとしないほうが恥ずかしいことだと私は思います。大丈夫!コンピュータを作ったのは人間ですから、コツコツやっていれば必ず分かるときがきます。少しずつでも、分かることが増えるたびに面白くなっていきますよ。
林口 裕志(はやしぐち ゆうじ)
担当講座:CCNA、CCNP、LPIC、LAMP、Python、Swift
実務実績:翔泳社CCNA、CCNP書籍執筆。設備機器メーカー工場のNW設計構築、自動車メーカー法人の社内サーバー運用設計、講演などの登壇